前日の米国市場でハイテク銘柄が主力のナスダック総合指数が急落したことを受け、28日の東京市場でも電機や情報通信などの大型株や株価指数先物を中心に値下がりした。日経平均株価は一時前日比540円安まで下げ幅を拡大し、全面安となる場面があった。
東エレクやスクリン、SUMCOといった半導体関連株などを中心に売りが優勢になった。受け渡し日ベースで実質新年度入りとなった28日の日経平均の下げ幅には、約160円の3月期末の配当権利落ち分も含まれる。
一巡後は、対ドルでの円弱含みや、日銀のETF(上場投資信託)買い思惑もあって大引けにかけて下げ渋りの動きとなった。機関投資家による配当再投資の買い思惑も指摘された。
市場からは「決定的な売り材料がなければ、クラッシュするようなことはないだろうだが、上値は重く当面は見送り状態が続きそうだ。為替動向とともに、外国人投資家の売りが一巡し、買いに転換するかがポイントになる」(準大手証券)との声が聞かれた。
東証1部の出来高は14億1231万株、売買代金は2兆7387億円。騰落銘柄数は値上がり571銘柄、値下がり1436銘柄、変わらず46銘柄。
JPX日経インデックス400の終値は前日比152.87ポイント安の1万5037.70、東証株価指数(TOPIX)も17.57ポイント安の1699.56となり、いずれも3営業日ぶりに反落した。
業種別TOPIXでは全33業種のうち30業種で下落した。「石油石炭製品」や「非鉄金属」の下げが目立った。
個別では、JXTGや住友鉱が安かった。パナソニックやソフトバンクも下落した。三井物や三菱商など商社株が売られた。
半面、中部電や関西電など電力株が上昇した。2019年2月期の業績予想に上振れ期待が高まったニトリHDは高かった。
東証2部株価指数は前日比71.56ポイント安の7143.13ポイントと3日ぶり反落した。
値上がり銘柄数は172、値下がり銘柄数は287となった。
個別では、工藤建設、ボーソー油脂、バナーズ、日本製麻、信和など13銘柄が昨年来安値を更新。価値開発、ランドコンピュータ、福留ハム、トーヨーアサノ、トーソーが売られた。
一方、神島化学工業が一時ストップ高と値を飛ばした。SYSKEN、日本リーテック、ファステップス、ファーマフーズ、グッドコムアセットなど9銘柄は昨年来高値を更新。野崎印刷紙業、アジア航測、省電舎ホールディングス、セーラー万年筆、アピックヤマダが買われた。