前日の米株式市場では、米10年債利回りが2008年以来、14年ぶりに4.2%に上昇したことを受け、景気敏感株やハイテク株などが軟調となり、NYダウは続落した。
これを受けた東京株式市場も軟調な展開となり、日経平均株価は4日ぶりに2万7000円を割り込んだ。週末で積極的な売買は見送られたほか、時間外取引の米10年債利回りが上昇基調を強めたことも警戒された。空運や電鉄などインバウンド関連株に利益確定売りが出た一方で半導体関連株などは底堅い値動きとなった。
下値を模索する動きは限られ、半導体関連の一角が上昇して相場を支えた。終日、投資家の様子見ムードが強く、日経平均の日中値幅(高値と安値の差)は116円と2021年12月24日以来およそ10カ月ぶりの狭さとなった。
20日に22年4〜12月期の業績が増益になるとの見通しを示したディスコが大幅に上昇した。東エレクなど他の半導体関連株にも買いが波及した。「短期目線の投資家を中心に半導体の一角を買い戻す動きがみられた」という。
市場からは「海外投資家はインバウンド(訪日外国人)系に利食い売りを出す一方、テクノロジー系にマネーがシフトしている。この動きが一時的か継続するかは分からないが、何かを売って何かを買うという感じで資金循環している」との声が聞かれた。
外国為替市場で円相場は1ドル=150円半ばまで下げ、1990年8月以来の円安・ドル高水準を付けた。株式相場では円安・ドル高を材料視する向きは限られた。
東証株価指数(TOPIX)は続落し、13.43ポイント(0.71%)安の1881.98で終えた。