前日のNYダウは332ドル高と続伸。米4〜6月期国内総生産(GDP)は2期連続のマイナス成長となったが、大幅な米利上げ観測が後退するなかNYダウは上昇した。この流れのなか、東京株式市場で日経平均株価は上昇して始まり、一時2万8001円まで上昇する場面があった。ただ、円高が進行すると、後場に入り日経平均株価も値を消す展開となった。
為替相場で円は一時1ドル=132円台まで上昇した。輸出関連株の採算改善への期待が一服した。国内の製造業は円安効果を除くと業績が伸び悩んでいるケースが多く、輸出で稼ぐ自動車株や電気機器株への売りを促した。
週末ということもあり様子見姿勢が続き、後場は小幅なマイナス圏での一進一退となった。
足元で発表が本格化している決算について、想定していたより厳しいとの評価も聞かれた。中国の景気減速の影響が出ているうえ、先行きについても世界景気への懸念が強まっており、村田製やパナHDなど決算発表後に売られる銘柄が目立った。
2万8000円近辺で利益確定や戻り待ちの売りが出たことや、週末を控えて持ち高調整の売りが出たのも相場の重荷だった。
一方、下値は限られた。28日発表の2022年4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は2四半期連続でマイナス成長となり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが減速するとの見方が浮上。米長期金利の低下を受けたグロース(成長)株買いが東京市場にも波及した。
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反落し、終値は前日比8.54ポイント安の1940.31で終えた。