前週後半の地合いを引き継ぎリスク回避ムードの強い地合いとなった。前週末の欧州株市場が総じて売られたほか、米国株市場でもNYダウをはじめ主要株価指数が下値を探る動きを継続、東京株式市場でも日経平均は終始マイナス圏での推移を強いられた。途中買い戻しで下げ渋る場面も何度かあったが、上値を買い進む動きには発展せず、結局この日の安値圏で着地している。中東情勢の不透明感や米長期金利の高止まりを嫌気する売りが続いている。国内長期金利が10年ぶりの高水準となったことも逆風材料。次回の日銀金融政策決定会合で日銀が政策修正を行うことへの警戒感が見送りムードを助長した。
前週末の米株式相場の下落に加え、日銀が金融政策を再修正するとの思惑が重荷となった。午後には日米の長期金利上昇を背景に売りが膨らみ、一段安となった。
朝方から幅広い銘柄で売りが優勢となった。前週末の米主要株価指数が軒並み下落し、東京市場に売りが波及。米連邦準備理事会(FRB)の高官が金融引き締めの長期化を支持する姿勢を示したことが相場の重荷になった。
午後に入ると、日米の長期金利上昇を受けて日経平均は下げ幅を拡大した。22日付の日本経済新聞朝刊が「日銀で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の再修正論が浮上してきた」と報じたのも、国内金利の上昇を促した。日経平均は節目の3万1000円付近では押し目買いなどで下げ渋る場面もあったが、大引けにかけて再び売りが優勢となった。
米長期金利が高止まりしているほか、中東情勢悪化への警戒感もくすぶり地合いは良くない。今週は26日に7-9月期の米実質国内総生産(GDP)、27日に9月の米個人消費支出(PCEデフレータ)の発表が控える。GDPは高い伸びが予想されており、景気加速によるインフレ上振れ懸念が強まる可能性がある。PCEデフレータは、消費者物価指数(CPI)などから減速が予想されているが、市場予想を大きく上振れた場合には、世界的に金融市場にマイナスの影響が出る可能性が残ることには注意する必要がありそうだ。中東情勢も戦闘の激化が懸念されており、国内主要企業の決算も本格化するため、目先は調整色の強い展開を強いられそうだ。