動画再生
【大引け概況】

18日の日経平均株価は3日続伸した。終値は前日比348円41銭高の3万8885円15銭と、この日の高値で引けた。2月19日(3万9164円)以来、4カ月ぶりの高値水準。
 
本日のマーケット動画
時間:00:01:44 容量:21.10M  ▼音声 VOICEVOX Nemo

過去のマーケット動画はこちら
 
きょうの東京株式市場は、中東の地政学リスクを背景に前日の欧米株が総じて軟調だったことからリスクオフの流れが意識され、朝方は先物に連動する形で日経平均がマイナス圏でスタートした。ところが、その後はすぐに前日終値を上回り、意外高ともいえる強調展開で下値を切り上げる動きに。外国為替市場でドル高・円安方向に振れたことが輸出セクターを中心に追い風として意識されたほか、先物を絡めたインデックス買いが指数押し上げに寄与した。前日の日銀金融政策決定会合後の植田日銀総裁の記者会見について、ハト派寄りとの見方が広がり、これも円安と相まって投資家のセンチメントを強気に傾けた面もあったようだ。
 
市場では「相場のトレンドに追随して先物を機動的に売買するCTA(商品投資顧問)などの海外短期筋が買いの主体で、日経平均は先物主導で騰勢を強めた」との声が聞かれた。
 
日銀は17日まで開いた金融政策決定会合で政策金利の据え置きと国債買い入れの減額ペースを緩める方針を決めた。会合後の記者会見で植田和男総裁は「経済・物価情勢の改善に応じて政策金利を引き上げる」と強調しつつも「通商政策を巡る不確実性は極めて高い」と話した。日銀が金融引き締めに慎重な姿勢を示したと受け止められ、買い安心感につながった。日本時間19日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表と米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の記者会見が予定される。結果を見極めたいとの雰囲気があり、伸び悩む場面も目立った。
 
東京株式市場は悪材料下でも着々と水準を切り上げるなど完全な需給相場を展開中。日米首脳の貿易協議が半ば物別れに終わっても意に介する雰囲気はほとんどない。金あまり相場といえばその通りで、現状の金利下でも株式が選好される。日銀の量的緩和縮小のペースダウンが好感されているのも頷ける。今期の企業業績が予想よりも減益幅を急速に縮め、PER面での割高感もやや薄れている。


 


 
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸した。終値は21.40ポイント(0.77%)高の2808.35だった。JPXプライム150指数も3日続伸し、11.61ポイント(0.95%)高の1236.85で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆541億円、売買高は16億2632万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1092。値下がりは461、横ばいは74だった。
 
業種別株価指数(33業種)はその他製品、パルプ・紙、精密機器などが上昇。下落は鉄鋼、非鉄金属、医薬品など。
 
個別では、きょうも断トツの売買代金をこなしたアドバンテストが堅調だったほか、レーザーテックも商い増勢のなか大幅上昇、5日発売の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ・ツー」の販売好調が手がかりとなり、任天堂が株式分割考慮後の上場来高値を付けた。コナミGやバンナムHDなど、その他のゲーム関連株にも買いが波及した。ファーストリテイリングが高く、良品計画、リクルートホールディングスも値を上げた。アドバンスクリエイトが値上がり率トップ、アステリアも急伸をみせた。日清オイリオグループが大きく上値を伸ばしたほか、大成建設、メルカリなども大幅に水準を切り上げた。アドバンスクリエイト、カルタHD、などが値上がり率上位となった。
 
一方、日本郵船や商船三井など一部の海運株が軟調に推移。また、三井住友FG、フジクラ、川崎重工業、三菱重工業、IHI、日本製鉄、ソシオネクストなどが軟調に推移した。プロレド・パートナーズの下げも目立つ。セレス、GMOインターネットなども下値を探った。ほか、ミガロホールディングス、gumi、ジェイ・エス・ビーなどが値下がり率上位となった。