前日の米国株市場では金融緩和が長期化するとの思惑からNYダウが最高値を更新したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は続落となった。米長期金利の上昇を警戒するムードがあり、東京市場でも利益確定の動きを誘発した。
それでも寄り直後は大口の買いが入り、日経平均は一時250円を上回る上昇をみせたが、買いは続かずその後は値を消す展開を余儀なくされた。決算発表の通過で手掛かり材料難となり買い気も盛り上がりを欠いた。鉱業、鉄鋼、非鉄といった景気敏感株が軟調だったほか、半導体関連株に利益確定の売りが目立つ展開となった。
日経平均は3万円の大台を回復してきたうえ、200日移動平均からの上方乖離(かいり)率が25%程度まで上昇していた。「移動平均からの乖離率があまりに大きいなど、さすがに過熱感が意識されやすい」との声は多く、年金基金など国内の投資家の多くが売りに回ったとの見方があった。
後場には東証株価指数(TOPIX)が前場に0.5%超下げたにもかかわらず、日銀が上場投資信託(ETF)を買い入れないとの観測も浮上し、日経平均の下げ幅が150円まで広がる場面もあった。
ただ、下値では押し目買いもみられた。米金融緩和の長期化観測などを受けたダウ平均の上昇が投資家心理の一定の支えになった。日経平均寄与度の大きいファストリの値上がりの効果も大きかった。1銘柄でこの日の日経平均を170円ほど押し上げ、時価総額はNTTを上回った。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比165.36ポイント安の1万7586.71だった。TOPIXも続落し、19.58ポイント安の1941.91で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆8854億円。売買高は15億7991万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1713と、全体の約8割を占めた。値上がりは406銘柄、変わらずは75銘柄だった。