日経平均株価は3月4日以来およそ1カ月ぶりの高値水準となった。
前日の米国株市場では米中貿易協議の合意が近いとの観測を背景にNYダウが半年ぶりの高値に浮上しており、為替のドル高・円安も追い風にこれに追随する展開となった。
海運や機械、電気機器といった景気敏感株に買いが入った。
トランプ米大統領は4日、貿易協議のために訪米した中国の劉鶴副首相と会談し、合意できた場合は首脳会談を開くと改めて表明。海外メディアによると、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席も劉副首相が持参したメッセージの中で「過去1カ月あまりの交渉で大きな進展があった」との認識を示したと伝わり、合意が近いと意識された。
ただ、朝方の買いが一段落した後は当面の利益を確保する売りが増えた。日経平均は朝方に前日比114円高まで上昇した後、頭打ちとなった。5日夜には3月の米雇用統計が発表される。2月に雇用者数の伸びが急速に鈍化した後とあって、結果を見極めたいとして積極的な買いを見送る投資家が多く、利益確定売りが上値を抑えた。
市場からは「年初来高値に迫り、抜ければ勢い付くが、抑えられればまたやり直しだ。いずれにしろ、米雇用統計の内容を受けて週明けのスタートが決まる。一方、米中貿易交渉の最終合意への期待は織り込みが進んでおり、後は結果待ちだ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は5.70ポイント高の1625.75と反発した。
JPX日経インデックス400も反発した。終値は前日比44.68ポイント高の1万4456.65だった。
東証1部の出来高は11億3774万株、売買代金は1兆9652億円。騰落銘柄数は値上がり1311銘柄、値下がり729銘柄、変わらず100銘柄。