経済活動が制限され、国内景気の先行き不透明感が増すとの見方が相場の重荷となっている。半面、中長期的な業績拡大への期待が強い電子部品株にはまとまった買いが入り、市場関係者からは「投資家の買い意欲は根強い」との指摘があった。
相場の下落が続くとの見方は少なかった。財政出動や金融緩和といった政策が相場を下支えするとの見方が根強く、下値では押し目買いが入った。日銀による上場投資信託(ETF)買いの期待も相場を支えた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前営業日比90.47ポイント(0.55%)安の1万6251.33だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、10.09ポイント(0.56%)安の1794.59で終えた。新型コロナ再拡大で影響を受けるとみられる「空運」「陸運」「不動産」の下落率が大きかった。
東証1部の売買代金は概算で1兆9441億円。売買高は9億5648万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1629と約7割を占めた。値上がりは495、変わらずは63だった。
業種別株価指数(全33業種)は電気機器、陸運業、空運業、不動産業などが下落し、情報・通信業と電気・ガス業は上昇した。
個別では、小田急や京王が大幅安。東急、JR東日本も下げた。ソフトバンクGが大量の売りで下落し、ファーストリテも下押した。東エレクが値下がりし、信越化、SUMCOは軟調だった。トヨタ、ホンダもさえない。JAL、ANAの売り物が厚くOLC、三井不は下げ足を速めた。Jフロント、三越伊勢丹、高島屋も安かった。
半面、エムスリーがにぎわい、メドピアは急伸し、ブイキューブは値を飛ばした。ソニー、日本電産は堅調だった。サイバー、NTT、ヤマトHDなどが上げた。
東証2部株価指数は前営業日比36.47ポイント高の6607.38ポイントと反発した。出来高1億7845万株。値上がり銘柄数は178、値下がり銘柄数は253となった。
個別では、天昇電気工業、ツインバード工業、ナガホリがストップ高。富士古河E&C、日創プロニティ、リスクモンスター、Abalance、神島化学工業など9銘柄は昨年来高値を更新。ジー・スリーホールディングス、日本アビオニクス、省電舎ホールディングス、オーケーエム、STIフードホールディングスが買われた。
一方、サイバーステップ、理研コランダム、SANEI、フジコピアンが昨年来安値を更新。グローバルダイニング、鉄人化計画、タビオ、イクヨ、ジャパンエンジンコーポレーションが売られた。