きょうは朝方からリスク選好の地合いとなり、日経平均は大きく切り返す展開となった。前週末の米国株市場では、10月の米雇用統計が非農業部門の雇用者数の伸びが市場コンセンサスを上回ったものの、失業率が想定を上回る水準だったことなどで、FRBの金融引き締めに対する警戒感がやや後退した。半導体セクターの上昇が顕著で、東京株式市場でもその流れを引き継ぎ東エレク、ファストリなど値がさ株がけん引した。
また、鉄鋼や海運など景気敏感株にも買いが優勢だった。ただ、日経平均は前週末に460円あまりの下落をみせていたが、その下げ幅を埋めることはできなかった。あすの米中間選挙や今週10日に発表される10月の米CPIの結果を見極めたいとの思惑が上値を重くしている。
ただ、きょうの上昇については「前週末に下落した反動による買い戻しの域を出ていない」という見方もあり、上値では戻り待ちの売りも出やすかった。決算内容が振るわなかった銘柄の下げや、百貨店株の下落も目立った。
市場からは「香港株が高く米株先物が下げ渋り、支えとして意識されたが、さらに買い進む状況にはない。直近1カ月の日経平均はおおむね2万7000円を軸としたレンジ内での動きであり、押し目買い・戻り売りの流れに変化はない」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、前週末比18.69ポイント(0.98%)高の1934.09で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆9125億円。売買高は12億3359万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1298と、全体の約7割だった。値下がりは474、変わらずは65銘柄だった。