東証株価指数(TOPIX)は22.34ポイント高の1480.62と、ともに続伸した。
国内で新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化しているのを踏まえ、重点対策が必要な「特定警戒都道府県」を除く県で段階的に緊急事態宣言の解除が進むとの期待が買いを誘った。
前週末の米国株が経済活動再開への期待から大幅上昇したのも支えに、海外の短期筋が先物の買い戻しを進めて日経平均を押し上げた。買い戻しが一巡した後場には次第に膠着感が強まった。
ウイルス感染者の減少は経済活動制限の成果とも言え、「制限を緩和すれば感染第2波が訪れる可能性もある」など、慎重姿勢を崩さない市場関係者は少なくない。
日本株は前週末も大幅高となっていたため、この日は利益確定売りも出て、午後の日経平均株価はやや上値の重さが目に付いた。足元では経済活動再開の期待先行や、売っていた銘柄の買い戻しを背景にした株高の側面が強く、「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の改善が具体的に確認できるまでは中長期の投資家は買いづらい」との見方が多い。最近の相場上昇ペースが速く短期的な高値警戒感が強まったこともあり、大引けにかけて伸び悩んだ。
8日に発表された4月の米雇用統計は非農業部門の就業者数が2050万人減るなど厳しい内容だったが、「毎週発表される失業保険の申請件数で、4月の雇用が大幅に悪化することは分かっていた」(民間シンクタンク)とされ、この日の売り材料にはならなかった。
JPX日経インデックス400は続伸し、終値は前週末比186.19ポイント高の1万3253.30だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、22.34ポイント高の1480.62で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2098億円。売買高は13億1355万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1728と、全体の約8割を占めた。値下がりは398銘柄、変わらずは45銘柄だった。