きょうは、広範囲に売りが広がった。前日の米国株市場では取引終盤に値を崩し、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに10日ぶりに大幅反落となったことで、東京市場でも目先筋の利益確定の動きを誘発する格好に。日経平均は前日まで直近2営業日で900円以上水準を切り上げたこともあり、その反動が出た形だ。米長期金利が一段と低下していることはポジティブ材料ながら、外国為替市場では日米金利差縮小を背景に円買いの動きが活発化し、円高方向に振れたことが輸出ハイテク株や自動車株などを中心に売りを助長した。
前日まで日経平均が大きく上げていたなか、20日の米株式相場が大幅安となり、幅広い銘柄に利益確定売りが優勢となった。21日の東京外国為替市場で円相場が円高・ドル安方向に振れ、輸出関連銘柄を中心として押し目買いも入りにくかった。下げ幅は600円に迫る場面もあった。
ファストリや東エレクなど指数寄与度が大きい銘柄を中心に売りが膨らんだ。日銀の金融緩和姿勢を追い風に日経平均は前日までの2日間で900円強上げて年初来高値を上回る場面もあった。最近の急ピッチな上昇を受けて高値警戒感が強まっていたのも売りにつながった。
21日の東京外国為替市場で円相場が円高・ドル安方向に振れ、日経平均が安値圏にあっても押し目買いを入れる動きは限定的だった。クリスマスシーズンで休暇入りする市場参加者が多く、売り一巡後は海外投資家を中心に積極的な売買が手控えられやすかったとの声も聞かれた。
日銀の金融政策決定会合の結果を受けて日経平均は大幅に上昇し、バブル崩壊後の戻り高値に接近していただけに、目先的な高値警戒感は拭えず、当然の一服とみるのが妥当だろう。また、年末にかけて株価が上昇するクリスマスラリーに対する期待は根強いうえ、3万3000円台の相場レンジに切り上ってきており、戻り売りをこなしながら、3万3000円台を固める展開に移行していくと考えられる。