きょうは、海外株安を受けたリスクオフムードに流され下値を試す展開を余儀なくされた。前日の欧州株市場が全面安に売り込まれたほか、米国株市場ではNYダウが後半下げ渋ったとはいえ一時700ドル超の下げをみせるなど乱調だったことで、目先買い手控え感が強まった。世界的に景気後退懸念が高まっており、市場のセンチメント悪化が目立つ状況にある。
足もと原油価格が急落していることが資源関連株への売りを誘い、外国為替市場で急速に円高方向に振れていることも、輸出ハイテクセクターなどに逆風材料となっている。
日経平均は前場売り一巡後に下げ渋る局面もあったが、その後は売り直される展開に。2万6000円トビ台では押し目買いや買い戻しが入り下値抵抗力を発揮した。
ロシアによる天然ガス供給停止への不安に伴うエネルギー高が景気悪化を招くとの懸念が強まった。米債券市場では、景気後退の予兆とされる「逆イールド」が発生。世界景気の後退懸念が重荷となって東京株式市場では景気敏感株を中心に売りが出た。
「米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速などに伴う景気後退懸念は非常に強まっている」との見方を示した。
一方、前日の米長期金利の低下を背景にグロース(成長)株の一角には買いが入った。東証株価指数(TOPIX)のPBR(株価純資産倍率)の低い銘柄で構成するバリュー指数は2.25%安だったが、PBRが相対的に高い銘柄のグロース指数は0.09%の下落にとどまった。
市場からは「週末8日の指数連動型ETF(上場投資信託)の分配金捻出売りが警戒されるが、それを終えれば、需給面で軽くなる。もっとも、7月のFOMC(米連邦公開市場委員会、26−27日開催)を通過するまでは不安定さを引きずる可能性があり、当面一進一退の展開か」との声が聞かれた。
TOPIXは3営業日ぶりに反落した。終値は前日比23.15ポイント(1.23%)安の1855.97だった。