米国の景況感悪化を背景とする前日の米国株安を受けて、当面の利益を確保する売りが優勢となった。
2日発表の11月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が市場予想に反して前月から低下した。
日経平均は前日に年初来高値を更新しており、高値警戒感を背景とした利益確定売りを促した。鉄鋼や自動車など景気敏感株をはじめ幅広い銘柄に売りが出た。
また、トランプ米大統領が2日、ブラジルやアルゼンチンから輸入する鉄鋼などに追加関税を課す考えを示し、貿易摩擦問題が改めて意識された。フランスが導入したデジタルサービス税を不服として、米国が仏製品への制裁関税を検討していることも売り材料になった。
朝安後は下げ渋った。押し目買いや先物の売り方による買い戻しが入ったほか、香港ハンセン指数などアジア株が底堅く推移したことも相場を下支えした。10年物国債入札が低調な結果との受け止めが広がり、午後に国内の長期金利が上昇すると、第一生命HDなど金融関連株の一角が買われた。
市場では、2日に値上がりした電子部品株など輸出関連銘柄を中心に、海外の短期投資家の注文とみられる売りが多かった。一方、下値では「個人投資家や投資信託など国内勢が買いを入れた」との見方が出ていた。日経平均の下げ幅は一時前日比342円まで拡大したが、「株価下落を買いの好機として受け止める投資家が多く、相場は底堅かった」という。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比63.56ポイント安の1万5261.24だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、7.76ポイント安の1706.73で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆9566億円。売買高は10億7475万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1540、値上がりは551、変わらずは66だった。