朝方はリスク選好の地合いで日経平均は300円以上の上昇をみせたが、その後は戻り売りを浴び上値の重い展開だった。結局、終値では小高く引けたものの後場はマイナス圏で推移する時間帯が長かった。
前週末の米国株市場では米10年債利回りの上昇一服などを好感してハイテク株中心に買いが入り、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大幅高に買われた。
これを受けて東京株式市場でも市場センチメントが強気に傾いたものの、買い戻し一巡後は上値を買い進む動きが見られなかった。外国為替市場で円安に振れたことはポジティブ材料だが、輸出セクターを積極的に買う動きにはつながらなかった。
決算や収益見通しを材料に個別株が大きく動いた。電子部品や半導体関連など値がさのグロース(成長)株の一角に買いが先行した。2024年3月期の見通しを上方修正した東エレクが上昇した。
一方、日経平均が3万3000円に近づくと、徐々に利益確定売りなどが広がり、上値は重くなった。今期の見通しを下方修正した資生堂は制限値幅の下限(ストップ安水準)まで売られた。
前週末に米格付け会社が米国債の長期発行体格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げたことへの警戒も根強かった。
国内主要企業の決算発表はピークを超え、投資家の関心は米景気の動向などマクロ面の行方に移っていくことになるだろう。今週は米消費者物価指数(CPI)や米小売売上高、米鉱工業生産指数などの発表が予定されており、米長期金利の動向にも影響を与えることになろう。また、米連邦政府の新たなつなぎ予算法案の成立に黄色信号が点っているため、審議の行方も気掛かり材料だろう。