NYダウが559ドル安と5日ぶりに急反落。米10年債利回りが一時1.61%と昨年2月以来の水準に上昇し、この金利高が警戒され高PER銘柄のハイテク株などが売られた。米国株安の流れを受けた東京株式市場も、日経平均株価は3万円を割り込む大幅安でスタート。特に後場には下げが加速し、終値では今月5日以来となる2万9000円割れに売り込まれた。株安、債券安で金融相場の先行きに不安感が台頭し、33業種全てが下落した。
取引時間中に一時、押し目買いが入って日経平均は下げ幅を縮小する場面があった。午前の東証株価指数(TOPIX)が大幅安となったことで日銀の上場投資信託(ETF)買い入れ観測も浮上したことは一定の相場の支えとなった。ただ、下値メドとみられていた25日移動平均(2万9162円)を割り込むと、買いの勢いが弱まった。
米金利は足元で急に上げ始めたわけではない。さらに経済成長と金利上昇は表裏一体で、株価にとって悪い材料とは言い切れない。日経平均株価は昨年末以降に上げ足を速め過熱感がくすぶっていたため、この日の下落についても「ようやくスピード調整した、という印象だ」と冷静に捉える向きもある。別の市場関係者は「当面、米金利の動向に一喜一憂しつつ、過熱感を冷ますのではないか」と話していた。
JPX日経インデックス400も反落。終値は前日比579.51ポイント安の1万6871.64だった。TOPIXも反落し、61.74ポイント安の1864.49で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆6212億円と、1月28日以来およそ1か月ぶりの高水準だった。売買高は16億8876万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1985と、全体の約9割を占めた。値上がりは172、変わらずは37銘柄だった。