先週末の米国市場では、強い米11月消費者物価指数(CPI)を受けてもインフレ高進への警戒がさほど高まらず、S&P500が終値で史上最高値を更新。これを好感して、寄り付きから200円を超える上昇となった。高寄り後の売り買いをこなして序盤では上を試しに行ったが、2万8800円に迫ったところで失速した。
10時を過ぎた辺りからは、じわじわと値を消す流れとなった。値下がり銘柄も多く、ややいびつな状況の中、取引終盤には2万8600円を割り込む場面もあった。ただ、萎んだところでは買いも入ったことから、上値の重さは意識されながらも200円を超える上昇で取引を終えた。
14〜15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、16〜17日に日銀の金融政策決定会合を控え、積極的な売買を見送る雰囲気が強まった。
新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」を巡っては、重症化しにくいとの見方が有力な一方、感染力が強いとの指摘もあり、マーケットは完全に消化しきれていない。それでも市場では「あまりに悲観的に傾いていた分、足元ではその傾斜が修正されつつあり、海外ヘッジファンドなど短期筋がショートカバー(売り方の買い戻し)を進めている」との見方があった。
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに小反発し、前週末比2.65ポイント(0.13%)高の1978.13で終えた。JPX日経インデックス400も3営業日ぶりに反発した。
東証1部の売買代金は概算で2兆2225億円。売買高は9億5579万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は918と全体の4割程度にとどまった。値下がりは1144銘柄、変わらずは121銘柄だった。