前場はリスク選好の地合いだった。前日の欧米株市場がほぼ全面高商状だったことで、この流れを引き継ぎ主力株など総じて買い優勢で始まったが、後場に入ると先物主導で値を崩した。
前日の米国株市場でNYダウが300ドルあまり上昇し最高値を更新するなど主要株価指数は堅調だったが、半導体関連が安く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は下値を探る展開となった。米政府による対中輸出規制強化の動きが半導体株安に反映され、東京株式市場もこの影響を受け同関連株の下げが目立った。
前場は米株高を支えにした買いが優勢だったが、後場に入ると株価指数先物への売りが主導して日経平均は400円近く下げる場面があった。
前引け直後から株価指数先物に短期の値幅取りを狙った海外勢とみられる売りが膨らむと、それまで上昇していた相場の流れが一転。後場は売りが優勢となった。日経平均はこのところ3万9800円台で上昇が一服し、失速する展開が目立っており、相場の上値の重さを意識した手じまい売りも出やすかった。
石破首相が半導体やAIに10兆円規模の公的支援を表明したが、マーケットではこれを好感する動きとはならなかった。一方、銀行株は強い動きで全体指数を下支えした。なお、TOPIXは小幅ながらプラス圏で着地している。
ニューヨーク・タイムズなど米メディアは11日、トランプ次期米大統領が外交トップの国務長官にマルコ・ルビオ上院議員を指名する見通しだと報じた。中国とイランには厳しい姿勢で臨むことで知られている。前場から米国による対中輸出規制への懸念で半導体関連が下落していたが、さらに売りを促す要因になったとの見方があった。きょう決算発表を控える東エレクが後場に下げ幅を広げた。アドバンテストやレーザーテクも一段安となった。
トランプ次期政権が打ち出す減税や規制緩和が米景気を押し上げるとの期待から前日に米ダウ工業株30種平均は連日で最高値を更新した。米国で求人サイトを展開するリクルートは前日発表の通期純利益予想の上方修正も好感されて大幅に上昇した。