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【大引け概況】
9日の日経平均株価は4営業日ぶりに反発し、前日比350円86銭高の2万6817円94銭で終えた。1991年4月17日(2万6980円)以来29年8カ月ぶりの高値を更新した。
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前日の米国株式市場では、米食品医薬品局(FDA)が10日の会合を控え、製薬大手ファイザーが開発する新型コロナワクチンの有効性に良好な見解を示したことで早期のワクチン配布への期待が高まったことが好感された。また、追加経済対策に関する協議進展への期待感も合まって主要株価指数は揃って上昇した。
こうした流れに加え、英国で8日から新型コロナワクチンの接種が開始されたことで景気回復期待が一層高まったほか、取引開始前に発表された10月の機械受注統計(内閣府)では、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比17.1%増と市場予想の2.5%を大きく上回ったことが後押し材料となった。日経平均は景気敏感株を中心に買われ、後場に入ってからも上げ幅を拡げ、ほぼ高値引けとなった。
 
米国では米食品医薬品局(FDA)が週内にもワクチンを承認する見込み。ワクチンの普及による世界景気の回復期待から、東京株式市場でも景気敏感株を中心に買いが優勢となった。
 
内閣府が朝に発表した10月の機械受注統計は「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比17.1%増と、市場予想(2.5%増)を上回った。自動車関連などが伸び、企業活動が回復基調にあるとの見方が市場の買い安心感につながった。
 
JPX日経インデックス400は3日ぶりに反発した。終値は前日比177.16ポイント高の1万6149.31だった。東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反発し、20.61ポイント高の1779.42で終えた。業種別TOPIXは非鉄金属、空運業、海運業などが大きく上昇した。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆3361億円。売買高は1億960万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1457銘柄と約67%を占めた。値下がりは625、変わらずは97銘柄だった。
 

業種別株価指数(全33業種)では非鉄金属、空運業、海運業の上昇が目立った。下落は証券・商品先物取引業、石油・石炭製品、電気・ガス業。
 
個別では、ソフトバンクグループが非公開化を目指す新たな戦略を議論していると伝わり、5.6%高。1銘柄で日経平均を85円押し上げた。ファナックなど機械関連株が買われた。日産自、三井金、オリンパスも上昇した。SUMCO、アドテストなど半導体関連も高かった。
商船三井、ANAも締まった。
 
半面、日本電産が売られた。東エレク、ENEOS、エムスリー、ZHD、KDDIが売られた。ドームは、大株主のヘッジファンドが三井不によるTOB(株式公開買い付け)への応募の意向を示したため、TOB価格である1300円近辺まで下げた。野村、中部電、JR東日本も値を下げた。
 
 
東証2部株価指数は前日比7.04ポイント安の6682.52ポイントと反落した。
出来高2億1500万株。値上がり銘柄数は194、値下がり銘柄数は217となった。
 
個別では、バリオセキュア、梅の花、ラピーヌ、フレンドリーが年初来安値を更新。Abalance、ストリーム、川本産業、恵和、パシフィックネットが売られた。
 
一方、那須電機鉄工、ジャパンエンジンコーポレーション、天昇電気工業、鈴与シンワートがストップ高。中国工業は一時ストップ高と値を飛ばした。日本製罐、黒田精工、マックスバリュ西日本、大日本コンサルタント、セキドなど6銘柄は年初来高値を更新。児玉化学工業、ツインバード工業、アマテイ、カネミツ、オーナンバが買われた。