
きょうは主力株を中心に総じて買いが優勢となった。日経平均株価は高く始まったあと値を消し、前場はマイナス圏に沈む場面もあったが、その後は再び買い直された。ただ、一時は未踏の4万5000円台に乗せる場面があったものの、終盤は伸び悩み結局4万4900円近辺まで押し戻されて着地している。
前日の米国株市場ではナスダック総合株価指数が6日連続の史上最高値更新と気を吐いたほか、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も8連騰で最高値となるなどハイテクセクターを中心に強調展開が目立った。これを受けて東京株式市場でも半導体製造装置の主力銘柄が牽引役となって全体相場を押し上げている。値上がり銘柄数は全体の67%とプライム市場全体の3分の2にあたる銘柄が上昇する形となった。なお、売買代金はメジャーSQを除くと今月3日以来となる5兆円台に乗せている。
市場関係者は「世界的にAI関連銘柄の業績期待が高まっているうえ、米連邦準備理事会(FRB)が緩和的な金融政策に転換すれば、株式の相対的な割高感が和らぐとの見方も株式への資金流入を促した」と話す。世界的な株高が続く中、一段と先高観を強めた海外短期筋による先物買いが日経平均の上昇を主導した面もあった。
日経平均は午前、下落に転じる場面があった。取引時間中として初の4万5000円台乗せで目先の達成感が出たほか、中長期運用を手掛ける国内機関投資家などは高値警戒感から利益確定売りを出していたようだ。
さて、東京株式市場は勢いが衰えることなく本日も指数が高値更新へ。業績面から見た割安感はないが、米利下げやハイテク人気、国内の景気対策期待などで株式を本質的に売る状況にはない。9月相場は中旬以降は企業の期末対策の益出し売りがあり上値は重くなるが、良好な需給がそれを簡単に吸収してしまいそうな雰囲気だ。今週は米利下げでいったん材料出尽くしとなるが、次回以降の利下げも期待されており押しはあっても浅いだろう。