きょうは終始買い手控えムードが強く、日経平均の下げ幅は一時500円を超えた。前日の米国株市場では米長期金利の上昇を背景に株式市場の相対的割高感が再燃、NYダウなど主要株価指数が揃って下落した。
中東情勢の緊迫化を受け原油市況の上昇が止まらず、米10年債利回りが約2カ月ぶりに4%台に乗せたことが嫌気された。これを受けて東京株式市場でもリスク回避目的の売りが噴出し、日経平均は前引け時点で3万9000円台を割り込んだ。前日まで上昇が目立った銀行や保険などの金融株が大幅安となったほか、電子部品株も下落した。
後場は下げ渋る場面もあったが、終始マイナス圏で3万8000円台後半での推移となった。
為替が1ドル=147円台に入るなど円高が嫌気されたほか、アジア株市場では香港ハンセン指数が大きく下落したことが警戒材料となっている。日経平均の下落率は1%にとどまったものの、個別株では値下がり銘柄数が全体の84%を占めるなど、売り圧力が強かった。
8日の香港株式市場でハンセン指数が大幅に反落した。大型連休明け後、最初の取引日だった中国・上海株式相場は大幅上昇で始まるも、買い一巡後は急速に伸び悩んだ。中国の国家発展改革委員会は午前に記者会見を開催した。内容は今までの景気対策の振り返りなどが中心で、市場で期待が強まっていた早期の追加財政支出については言及がなかったため、失望売りが膨らんだ。東京市場でも安川電や資生堂といった中国関連銘柄が売られ、日経平均の下げ幅は500円を超える場面があった。
午後に円相場が伸び悩むと、日経平均は下げ幅を縮小する場面もみられた。円相場は正午前に1ドル=147円52銭近辺まで買われる場面があったため、148円台に円相場が伸び悩んだのをみて、海外短期筋などが株価指数先物への売り圧力を弱めたとの見方があった。