前日、約1カ月ぶりに終値で2万0500円台まで上昇、また、前日のNYダウなど主要指数が上昇した流れを引き継げず、目先の達成感から主力株を中心に利益確定売りが優勢となった。
外国為替市場で1ドル=108円台前半とやや円高含みに推移したことなども買い手控え感につながった。ただ、中国株や香港株などアジア市場が底堅い動きをみせ、これを横目に下値も限定的だった。英国のEU離脱案が英会議で否決されたが、事前に想定されていたこともあり、これを特に嫌気した形での売りも観測されなかった。
午前の売り一巡後は先物への売り圧力が後退し、下げ幅を縮小する場面も目立った。値ごろ感のある主力株の一角に加え、医薬品や食料品といった内需株に個人投資家などの買いが入った。
英国の欧州連合(EU)離脱案は英議会下院での採決で、15日夜(日本時間16日早朝)に反対多数で否決された。与野党からの根強い反対で否決されるとの予想が採決の前から多かったため、離脱問題の混迷を警戒したリスク回避ムードは広がらなかった。
メイ英首相は野党から提出された内閣不信任案を切り抜けて、代替案を提示する方向で調整するとみられる。EUと条件が折り合わないまま離脱を迎える「合意なき離脱」は目先で回避できるとの思惑も投資家心理を支えた。
市場からは「前場に債券先物買い・株価指数先物売りの動きが出ていたが、後場は先物売買が細り、あまり値動きがない。日経平均は5日線がサポートする一方、25日線が上値を抑える格好となり、目先は両移動平均線近辺で一進一退の動きになるのではないか」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比35.25ポイント安の1万3647.47だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、4.95ポイント安の1537.77で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1581億円、売買高は12億962万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1424と、全体の6割強を占めた。値上がりは635、変わらずは69銘柄だった。