新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化の懸念で前日のNYダウ工業株30種平均が大幅安となり、海外投資家などが売りを出した。
日経平均の下げ幅は午前に300円を超える場面があった。
国内でも新型コロナの感染者数が増え、経済に悪影響を及ぼすとの見方から国内勢による株安進行をヘッジする目的の売りが優勢だった。名実ともに新年度入りしたものの「相場の変動率が高いため、取引を見送る機関投資家が多かった」との声があった。
政府が緊急事態宣言を発表すれば、「人や物の移動が大幅に制限され、日本中で経済活動がさらに停滞する可能性が高い」との懸念が高まり、株式の値下がりにつながった。
午前の相場下落を受けて日銀が上場投資信託(ETF)買い入れに動くとの観測が浮上し、日経平均は上げに転じる場面もあった。もっとも上値では戻り待ちの売りが出て、買いの勢いは続かなかった。
市場では「株価指数はまだ落ち着かない動きとなっているが、電機や精密、半導体などのセクターが比較的しっかりしていることから、戻りの先導役になることが期待される」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は4日続落。終値は前日比173.93ポイント安の1万1930.83だった。東証株価指数(TOPIX)は4日続落し、21.21ポイント安の1329.87で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5703億円と、3月5日以来約1カ月ぶりの低水準だった。売買高は16億4426万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1872、値上がりは266、変わらずは29だった。