きょうは終始買い優勢の展開となり、日経平均株価は2万9900円台まで上昇し、フシ目の3万円大台まであと100円弱に迫る場面があった。前日の米株式市場で債務上限問題を巡る過度な警戒感がやや後退して主要株価指数が上昇したため、東京株式市場でも運用リスクを取る動きが強まった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が急反発したのを引き継ぐ形で、半導体関連株が強い動きを示し全体相場を牽引した。業種別では電力株や医薬品株が買われたほか、食品株の一角なども値を上げ、全体指数の上昇に貢献した。
後場は16日に予定される米債務上限問題を巡る会談を見極めたいとの思惑や、心理的節目の3万円への接近で利益確定売りが増え、上値を抑えた。
市場関係者は、「足元は日銀の金融緩和が継続するとの期待感や、デフレ脱却に向けた動きが続いていることを評価した外国人投資家を中心とした買いが続いている」と話した。
「外国人買いが主体で、現物株にウエートを置いているなら良いが、先物に偏れば、逃げ足も速いとみられる。先高観が強く、日経平均3万円タッチの可能性はあるが、心情的には、ここから上は買いたくない向きが少なくないのではないか」との声が聞かれた。