7日のNYダウは反発し、211ドル高となった。中国の4月輸出額が増加に転じたことに加え、ハイテク関連を中心とした主要企業の決算が好感された。
米中対立激化への警戒感が後退するなか、欧米の経済活動の再開や国内の新型コロナウイルスの新規感染者数の減少傾向も支援材料となり、日経平均は3営業日ぶりに2万円台に乗せて引けた。
8日午前、中国商務省は劉鶴(リュウ・ハァ)副首相がライトハイザー米通商代表部代表やムニューシン米財務長官と、貿易交渉を巡る米中の「第1段階の合意」について電話で協議したと発表した。新型コロナの発生地などを巡る米中の対立先鋭化が市場の懸念材料であっただけに、発表を受け買われた。
同日発表の米雇用統計は大幅な悪化が見込まれるものの、ある程度の悪化は織り込み済みとの見方が多かった。国内でも経済活動再開の期待が出るなか、大引けにかけて日経平均の上昇に弾みが付いた。終値は4月30日の直近高値(2万0193円69銭)に迫る水準だった。
米中閣僚が電話協議を行い、「経済と公衆衛生について協力を強化することで合意した」と伝わった。直近のトランプ米大統領の発言で、貿易摩擦が進むとの警戒感が高まっていたが、「今回の電話協議でいったん後退した」。買い戻しが加速し、日経平均は一段高となった。
日本国内でも、政府が近く、緊急事態宣言を解除する基準を示す見通し。市場で「国内でも自粛ムードの先が少し見えてきた」と受け止められ、これまで低迷していた鉄道株や不動産株が値上がりした。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比287.93ポイント高の1万3067.11だった。
東証株価指数(TOPIX)も反発し、31.55ポイント高の1458.28で終えた。
業種別TOPIXはほぼ全面高となった。鉄鋼や海運、陸運、金融など、このところ出遅れていた銘柄への買いが目立った。