米国市場が高安まちまちだったことから、東京株式市場は小動きで取引を開始した。2月及び8月決算企業の配当落ち(20円ほど)などが影響して、日経平均は小安くスタートした後は、前日終値水準でのもみ合いとなった。ただ、25日移動平均線との乖離率は、27日時点で+5.5%ほどまで低下したことなどから短期的な過熱感は解消されつつあり、下値は限定的となった。
きょうはファストリやソフトバンクグループ(SBG)など主力の値がさ株を中心に利益確定売りが優勢だった。もっとも、日経平均は上昇する場面もあり、下値は堅かった。
日経平均は前場に一時160円ほど下げた。だが、その後は再び上昇に転じるなど一進一退となる場面が多かった。エヌビディアなど米半導体関連株が主導した年初来の相場上昇に過熱感が意識される一方、日本株は先高観も根強い。きょうは新規の取引材料が見当たらず、相場は方向感を欠いた。半導体関連ではレーザーテクやスクリンが下げ、東エレクとアドテストは上昇するなどまちまちだった。
直近の決算発表を受けて大きく下げていた銘柄などには買いが入り、相場の下値を支えた。銀行株など株価指標面で割安とされる業種にも買いが向かいやすかった。
さて、東京株式市場は本日も高値圏で気迷いの出るどっちつかずの相場だった。出遅れ株物色が続きプライム市場やスタンダード、グロース市場は全て値上がり銘柄数が勝っている。資金は末端の銘柄へ向かっている状況だろう。目先は明日の晩の米国のインフレ指標次第で上下どちらにでも振れる状態なだけに、高いものを売って安いものを買っておく、こうした中立の動きが続くのだろう。