きょうの東京株式市場は、日経平均が前日の上昇分を帳消しにする大幅な下げに見舞われた。取引終盤に1000円を超えて急落する場面もあったが、引け際にショートカバーとみられる大口買いで、結局840円あまりの下落で着地した。
イランとイスラエル間での軍事衝突が拡大しており、地政学リスクの高まりを嫌気する売りがかさんだ。前日の米国株市場ではNYダウが4日ぶりに反落したが、ハイテクセクターの軟調が目立ち特に半導体関連への売りが目立った。またこれを受けて東京株式市場でも半導体関連など中心に利食われる銘柄が相次いだ。
外国為替市場では円高がそれほど進行しなかったものの、米株価指数先物の軟調な値動きなどを横目に買い手控えムードが広がった。
リスク回避姿勢が強まり、プライム市場の値下がり銘柄数は全体の8割にのぼった。半導体関連のほか、1日の米市場でアップル株が前の日に比べ大きく下げたことから、TDKや村田製など電子部品の下落も目立った。
イランからミサイル攻撃を受けたと発表したイスラエルが「数日内にイラン攻撃への対応を計画している」と午後に伝わると売りが一段と強まり、日経平均の下げ幅は1000円を超える場面があった。
中東情勢の緊迫化を背景に時間外取引で原油先物相場が2%近く上昇している。原油高や輸送コスト高などが警戒されるほか、中東での供給網の寸断なども警戒され、当面は中東情勢をにらみながら不安定な動きが続くことが想定される。
日経平均は一時下値のめどとみられる200日線水準(3万7803円)をも下回ったため、目先は下値を模索する局面となりそうだ。