朝方は日経平均がプラスでスタートしたが、その後は値を消す展開でマイナス圏に沈んだ。後場に入ると売り圧力が増し、フシ目の2万7000円台を大きく割り込む展開を強いられた。
前日の米国株市場ではFRBの金融引き締め姿勢強化への警戒感やウクライナ情勢を嫌気してNYダウが3日続落。ナスダック総合株価指数は前日比横ばいで引けたもののリスク回避ムードは拭えなかった。日経平均は後場に下落幅を広げ、一時350円あまり水準を切り下げたが、終盤は買い戻しや値ごろ感からの押し目買いが入り、下げ渋る展開となった。業種別ではここ買われていた銀行株や資源関連株などが利食われたほか、半導体関連株などグロース株にも売りが及んだ。
ロシアによるウクライナへの侵攻に対する懸念が強まる中、米国務省はウクライナの隣国であるベラルーシやモルドバの一部にいる米国民にすぐに出国するよう勧告したと伝わった。事態が急変する可能性が意識されるなか、午後には主力銘柄が売りに押される場面が目立った。
米金融政策を巡っては、米連邦準備理事会(FRB)高官による早期引き締めに前向きな発言が相次ぐ。米国の経済指標や1月に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の発表などを控え、日本株の買い持ち高を解消する動きも出やすくなっている。
前日に決算を発表したリクルートが12%安となり、1銘柄で指数を76円近く押し下げた。午後には東エレクや信越化といった値がさ株が下げ幅を広げた。
市場からは「弊社の外国人フローでは、きのうヘッジファンドがグロース(成長)系のショート(カラ売り)に動いていたが、きょうは売り、買いフラットの印象だ。ただ、維持するとみられた日経平均2万7000円をあっさり割り込んだことで、テクニカル的な不安定さがある」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落した。東証株価指数(TOPIX)も続落し、前日比15.95ポイント(0.83%)安の1914.70で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆589億円。売買高は13億4390万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1223と、全体の6割弱を占めた。値上がりは872、変わらずは87だった。