前日のNYダウは373ドル安と下落した。今晩予定されているジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が利上げに前向きなタカ派的な内容となることが警戒された。
また、23日の取引終了後に好決算を発表した米半導体大手のエヌビディア<NVDA>の株価が材料出尽くし感から小幅高にとどまったことを落胆視する売りが膨らんだ。
これを受け、この日の日経平均株価も大幅安となった。日経平均株価は前日までの4日間で800円強上昇していたことから、利益確定売りも膨らんだ。半導体関連株などが下落し日経平均は一時700円を超す下げとなった。
アドテストや東エレクといった半導体関連銘柄やソフトバンクグループへの売りが目立った。3銘柄で日経平均を300円超押し下げた。
25日の香港ハンセン指数や上海総合指数などのアジアの株価指数が下げたことも投資家心理の悪化につながった。日経平均は心理的節目の3万2000円や75日移動平均(3万2102円、24日時点)を割り込み、海外短期筋などの売りがかさみやすかったとの声も聞かれた。
日本時間の25日夜には国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB議長が講演する。パウエル氏がタカ派的な発言をするのではとの警戒から、株価水準を切り下げた銘柄への押し目買いも限られた。
最大の注目材料はジャクソンホールシンポジウムにおけるパウエル議長の講演内容だろう。最近の米国の経済指標は、インフレ抑制が順調に進みつつあることを示唆する内容も増えてきてはいるものの、10日に発表された米国の7月のコア消費者物価指数(CPI)は前月比0.16%上昇と、6月と同じ低い伸びにとどまった。この水準が続けば年2%の物価目標達成が可能になるだけに、パウエル氏がどのような見解を示すのか注目される。