米連邦準備理事会(FRB)が16日に米金融緩和を長期間維持する方針を示し、投資家の買い安心感が高まった。ただ、新型コロナウイルスの国内外での感染拡大が懸念され、方向感に乏しい展開が続いた。
前日の米株式市場では、NYダウが前日比44ドル安と反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)では、量的緩和を強化するガイダンスが発表されたが、米11月小売売上高が市場予想を下回ったことが警戒された。これを受けた東京株式市場では、日経平均株価が朝方は値を下げて始まったが、米国の量的緩和に対する期待も背景に下値には買いが入り、後場にかけプラス圏で推移した。海運や情報通信、精密などが高い。
14時ごろに「東京都の新規感染者数が過去最多の800人超になる」と伝わったことで、投資家心理を冷やす場面もあった。
巣ごもり関連株が買われる一方、空運や電鉄、百貨店など外出自粛による悪影響を受けやすい業種は弱く、新型コロナへの警戒感の根強さがうかがわれた。
市場関係者が「海外勢が少ない」と口をそろえるとおり、売買を一方向に傾ける投資主体が少なかったもようだ。そんななかでもグロース(成長)株には資金が集まり、指数を押し上げた。
JPX日経インデックス400も続伸。終値は前日比42.51ポイント高の1万6190.43だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸で、5.75ポイント高の1792.58で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5456億円。売買高は11億4095万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は849と、全体の4割弱にとどまった。値下がりは1253と半分強、変わらずは82銘柄だった。