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【大引け概況】


8日の日経平均株価は大幅に続落し、前日比550円45銭(1.68%)安の3万2307円86銭で終えた。11月8日以来1カ月ぶりの安値水準。
 
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急激な円高を警戒する売りで日経平均株価は一時600円を超える大幅安となった。日銀による金融政策修正に対する警戒感が強まるなか、前日のニューヨーク市場で為替相場は一時1ドル=141円台まで急激な円高が進行。円高が日本企業の業績悪化要因となることを警戒する売りが膨らんだ。為替市場で円相場は、朝方には144円台まで円安に振れたが、午前10時頃には142円台まで再び円高が進むなど荒い値動きが続いた。株式市場では、ハイテク株や自動車株など輸出関連株を中心に売りが膨らんだ。一方、日銀が金融政策修正に動いた場合、金利上昇の恩恵を受ける銀行株や円高メリット株の空運株などが買われた。
 
東証の業種別株価指数の下落率は「輸送用機器」がトップだった。7日の植田和男・日銀総裁の発言などを受けて金融政策の修正観測が高まり、円相場が急上昇するなかで輸出採算の悪化が意識され、トヨタをはじめ自動車株に売りが出た。鉄鋼や機械などほかの輸出関連株も売りが目立った。
 
日経平均の下げ幅は600円を超える場面もあった。直近では米労働市場の需給緩和を示す経済統計が相次いでおり、11月の米雇用統計が労働市場の減速を示す内容となれば、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が強まる可能性が高い。日銀が18〜19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利解除に動く可能性も意識されるなか、日米金利差の縮小を通じた円相場の上昇持続に警戒感が強まった。
 
昨日の日経平均が25日移動平均線を再び下回ったことから、相場は調整局面にあるとの見方もあり、本日は75日線も下回った。そのほか、週末要因に加えて米雇用統計の発表を控えるなか、買い進む動きは限定的だった。
 
 
 

東証株価指数(TOPIX)は続落し、35.44ポイント(1.50%)安の2324.47で終えた。JPXプライム150指数も続落し、15.32ポイント(1.47%)安の1027.12だった。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆8397億円。売買高は20億4933万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1408と、全体の約8割を占めた。値上がりは230銘柄、変わらずは22銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、ゴム製品、鉱業、鉄鋼の下落率が大きかった。上昇は銀行業など3業種。スタンダードTOP20は続落。出来高4億6264万株。
 
 
個別銘柄では、レーザーテックや東京エレクトロン、ディスコが安く、ソニーグループやニデック、村田製作所が軟調。トヨタ自動車やホンダが値を下げ、日本製鉄や三菱重工業、日本郵船が売りに押された。ファーストリテイリングやソフトバンクグループが下落し、キーエンスや信越化学工業も軟調だった。TOPPANや豊田通商、アマダは下落した。
 
半面、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが高く、ゆうちょ銀行やりそなホールディングスが値を上げた。日本航空やANAホールディングスがしっかり。ニトリホールディングスが買われ、ロームやルネサスエレクトロニクスが上昇した。ニチレイやLINEヤフーは上昇した。