新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」が南アフリカで見つかり株価が急落する前の11月25日(2万9499円)以来、およそ1カ月ぶりの高値を付けた。
前日の米国株式市場では景気敏感株などに買いが入り、NYダウなど主要株指数が揃って大きく上値を追い、機関投資家が重視するS&P500指数は史上最高値を更新した。これを引き継いでリスク選好の流れが強まった。米国ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値に買われており、東京株式市場ではこれを受けて半導体の主力株が買われ、全体相場を牽引した。日経平均は午前中に2万9000円大台を回復したあと、いったんは戻り売りで上げ幅を縮小し2万8000円台に押し戻される展開を強いられたが、後場終盤に買い直され、再び大台に乗せて着地した。
前日に主要半導体銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が高値を付けたのを追い風に、値がさの東エレクなど半導体関連が買われた。円相場が1ドル=114円台後半まで円安・ドル高が進み、輸出関連株の採算改善への期待も相場にプラスとなった。日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。
経済産業省が朝方発表した11月の鉱工業生産指数(速報値)が前月比7.2%上昇した。自動車工業を中心に生産が回復したことから、関連銘柄の買いを誘った。
午後に入って日経平均は伸び悩む場面もあった。節目の2万9000円を意識し、戻り待ちや利益確定の売りも出やすかった。個人による節税目的の損失確定売りも観測された。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶり反発。東証株価指数(TOPIX)も3営業日ぶりに反発し、27.12ポイント高の2005.02で終えた。2000を上回るのは16日以来。
東証1部の売買代金は概算で2兆1688億円と5営業日ぶりに2兆円を上回った。売買高は9億5249万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1871と、全体の8割強を占めた。値下がりは252、変わらずは62銘柄だった。