朝方は足元の相場下落を受けた自律反発狙いの買いが先行したが、日銀が19〜20日に開催した金融政策決定会合で、長期金利の変動幅を従来のプラスマイナス0.25%程度から同0.5%程度に拡大することを決定した。
この発表を受け、為替市場ではドル安・円高が進み、債券市場では金利上昇で債券安となった。
株式市場では金利上昇が嫌気され、ハイテク株など主力株が軒並み安となった。前場はプラス圏で推移していた日経平均株価は、後場は売り殺到で一時2万6400円台まで下落した。日銀の金融政策修正で、年末・年始に向けて荒い展開が続くとの見方が強まった。一方、金利上昇期待で大手銀行や生損保など金融株は値を上げた。
市場では「日銀は現状の金融政策を維持するとの見方が大勢だったため、想定外の緩和修正を受けて株はショック安の様相を呈した」との声が聞かれた。
日銀の緩和修正によって外国為替市場で円高・ドル安が進んだほか、長期金利が上昇し、日産自や三菱自といった自動車株や住友不や三井不といった不動産株の下落が目立った。東証プライムの9割が下落し、金融関連株を除くとほぼ全面安の展開だった。
日銀の緩和修正でカウンターパンチを食らった格好だ。日経平均は心理的なフシ目となる2万7000円を一気に割り込み、一時は2万6500円を下回った。チャート上のフシ目割れで売りが続く可能性もあり、しばらく落ち着きどころを探る展開か。
東証株価指数(TOPIX)は4日続落し、終値は前日比29.82ポイント(1.54%)安の1905.59だった。