前週末の米株式市場で主要な株価指数がそろって最高値を更新したこと受け、東京株式市場でもリスク資産である株式を買う動きが優勢だった。
寄り前に発表した5月の機械受注が事前コンセンサスを上回り、機械セクターなどが買われたほか、米国株市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が反発に転じたこともあって半導体関連株にも物色の矛先が向かった。前週末までに日経平均先物を売っていた短期筋による買い戻しも指数を押し上げた。日経平均は6月22日以来の大幅な上昇となった。
国内では新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都を対象に4回目の緊急事態宣言が適用された。来週開幕する東京五輪もほとんどの会場で無観客の開催となる見通しだ。ただ「経済活動を一段と下押しするほどの強制的な措置が取られないとの見方から、日本株には見直し買いが入った」と楽観的な受け止めが広がったという。
ただ、急伸をけん引したのは、前週末にかけての調整で日経平均先物を売っていた海外投機筋などによる買い戻しが中心だったとみられ、日経平均は朝方に急上昇した後、高い水準を維持しつつも方向感に乏しい展開が続いた。
市場では「安川電機が22年2月期の連結業績予想を上方修正し、利益予想が市場予想平均を上回ったことで同業他社にも連想買いが向かうなど、地合いは悪くないようだ」(との見方があった。
JPX日経インデックス400は4日ぶりに反発した。終値は前週末比365.98ポイント高の1万7580.38だった。東証株価指数(TOPIX)も4日ぶりに反発し、40.95ポイント高の1953.33で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3803億円。売買高は10億3577万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は2010と、全体の約9割を占めた。値下がりは149、変わらずは33だった。