前日の欧州株市場は総じて高く、米国株市場でもNYダウが4日続伸と強さを発揮したが、米長期金利の上昇を背景にハイテク株に売りが目立ち、この流れが東京株式市場にも波及した。値がさの半導体関連の下げが目立った。午前には中国経済の先行きへの警戒もあって幅広い銘柄が売られ、日経平均は下げ幅を200円超に広げ、3万円ちょうど近辺まで下落する場面があった。
アドテストや東エレクといった半導体関連銘柄の売りに波及した。米長期金利が日本時間28日に1.5%台に上昇し、相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)の成長株の一部が下げたのも相場の重荷となった。
もっとも、売りが一巡すると日経平均は下げ渋った。政府は28日夕にも新型コロナウイルスの感染対策である緊急事態宣言を30日の期限をもって全面解除することを正式に決める。10月からは行動制限が段階的に緩和される見通しで、経済再開をにらんで内需関連銘柄の一角が物色された。
きょうは9月の実質最終商い日で配当や株主優待の権利取り狙いの買いが下値を支えた。業種別では海運株が利益確定売りで大幅安となったほか半導体セクターが売られた。一方、銀行株などに買いが目立った。
JPX日経インデックス400は続落した。東証株価指数(TOPIX)も続落し、終値は前日比5.97ポイント安の2081.77で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆8105億円。売買高は15億677万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1057。値上がりは1033、変わらずは96だった。