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【大引け概況】


11日の日経平均株価は小幅に続伸し、終値は前週末比32円95銭高の3万9533円32銭だった。
 
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朝方に売り先行で日経平均はマイナス圏でのスタートとなったが、下値抵抗力を発揮し底堅さが意識された。後場に入ると押し目買い意欲が活発化し、小幅ながら前週末終値を上回る水準で推移する時間が長くなり、結局3万9000円台半ばで取引を終えた。前週末の米国株市場では景気敏感株や金融株などを中心にリスク選好の地合いとなり、NYダウが過去最高値を更新、ナスダック総合株価指数も小幅ながら上昇し最高値圏を走っている。
米国では「トランプ・トレード」が続いているが、東京株式市場は前週1週間で日経平均が1400円以上水準を切り上げていたこともあり、足もと上値が重い。ただ、後場は押し目買いが徐々に優勢となった。取引時間中に為替の円安が進んだことが輸出セクター中心にポジティブ視された。
 
国内では2024年4〜9月期の決算発表シーズンが佳境を迎え、好決算を発表した銘柄を物色する動きが活発だった。主力のゲーム事業などの回復で24年4〜9月期に大幅な最終増益となったソニーGのほか、光ファイバー需要の増加を背景に増収増益を確保した古河電など電線関連株が買われ、日経平均を押し上げた。
 
ただ、日経平均は下落する場面も目立った。9日に米商務省が半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)に対し、人工知能(AI)などに使う先端半導体の中国企業への出荷停止を命じたなどと伝わり、値がさの半導体関連株には朝方から売りが優勢だった。東京市場ではトランプ・トレードが一巡し、トランプ次期政権が掲げる関税強化策などへの警戒感も強い。大和証券の林健太郎シニアストラテジストは「日本など米国以外の企業にとっては、トランプ氏の経済政策による影響は好悪の材料が入り交じっており、トランプ氏が米大統領選で初勝利した8年前に比べると一本調子での上昇は見込みづらい」と話した。
 
 

東京株式市場は小幅マイナス圏で推移する場面が多いながらも結果的に膠着気味の相場に終始した。今週は13日に10月の米消費者物価指数、15日に7-9月GDP速報と米10月小売売上高と内外で重要な指標の発表が続く。高値圏にあるだけに様子見的な相場となりやすい。日経平均はここ数日25日移動平均線(3万8959円)にサポートされており、ここが押し目買いの目安となっている。
 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は2.47ポイント(0.09%)安の2739.68だった。JPXプライム150指数は小幅に5日続伸し、0.02ポイント(0.00%)高の1225.58で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆2256億円、売買高は20億2618万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は698。値下がりは909、横ばいは39だった。
 
個別では、ディスコ、アドバンテスト、ソフトバンクグループ(SBG)などが高く、フジクラが売買代金上位に食い込み大幅高に買われたほか、古河電気工業は前週末に続きストップ高に買われる人気。任天堂などが上昇。ソニーグループが堅調、さくらインターネットも急騰した。I-PEXはザラ場中に値がつかず大引けストップ高で配分された。高砂香料工業も値幅制限上限まで水準を切り上げ、ディー・エヌ・エーも値を飛ばした。京阪ホールディングスなども商いを伴い急伸をみせている。上期は営業増益確保で通期予想上方修正したスターティアHや業績上方修正や高水準の自社株買いを発表した京阪HDなどが急騰、高砂香料、アイ・ピー・エス、古河電工などがとなった。
 
半面、レーザーテックや東京エレクトロン、ソシオネクストなどの半導体関連株のほか、川崎重工業が大きく値を下げ、売買代金トップとなった三菱重工業も冴えない値動き。ユニ・チャームは大幅安、日清食品ホールディングスの下げも目立つ。キーエンスも安い。アンビスホールディングスがストップ安で値下がり率トップに売り込まれ、今期ガイダンスは期待値に届かなかったプラスアルファ・コンサルティングが急落、今期の連続減益ガイダンスをマイナス視された浜松ホトニクスが急落。artienceも値幅制限いっぱいに売られた。レオパレス21などが値下がり率上位となった。