前週末の米株式市場でPER(株価収益率)の高い成長株の下げが大きかった流れを受け、東京株式市場でも成長株の下げが目立った。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への懸念もあって、株価指数先物売りを交えて下げ幅を拡大し、一時2万7693円91銭(同335円66銭安)まで下落した。
一巡後は後場終盤に向けて下げ渋ったが、大引けにかけてはやや上値が重くなった。
なかでも、ソフトバンクグループは投資戦略への不透明感も意識され、8.2%下落。日経平均を約96円押し下げた。東京市場の市場心理の悪化にもつながったとの見方があった。
オミクロン型の感染者が確認された国・地域が増えている。経済活動への影響が見極めきれず、積極的に運用リスクを取りにくいムードが続いた。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前週末比10.32ポイント安の1947.54で終えた。JPX日経インデックス400も反落した。
市場からは「11月末にかけてドーンと下げた割には戻りが鈍い。『オミクロン型』は重症化しないとの見方が強まっているが、依然として不透明だ。米国では金融引き締めの方向にあり、上は買いづらい」との声が聞かれた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5071億円。売買高は10億8694万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1245と、全体の6割弱を占めた。値上がりは835、変わらずは104銘柄だった。