日経平均株価は売り先行でスタートし後場にかけ下げ幅は拡大した。下げ幅は一時300円に接近した。
NYダウが前日比205ドル安と反落。米景気に対する先行き不安感が台頭したことが売り要因となった。また、この日の為替市場で一時1ドル=104円90銭台へ円高が進んだことも警戒され輸出関連銘柄にも広く売りが出た。
20年4〜6月期決算発表が本格化するなか、新型コロナウイルスの影響で決算や配当計画、業績見通しなどの内容が低調だった銘柄を中心に大きく下落した。
前日の米国株は経済対策を巡る与野党協議の難航に加え、市場予想に届かない決算が相次いだのを嫌気して下落しており、国内でもこの流れを引き継いだ。四半期ベースで初の赤字となったキヤノンや、通期見通しが市場予想に届かなかったファナックを中心に売りが強まった。
国内で新型コロナウイルスの1日あたり新規感染者数が1000人の大台に乗せる勢いで、企業業績の低迷が長引くとの見方も重荷になった。昼過ぎには中国で約3カ月半ぶりに新規感染者数が100人を超えたと伝わり、日経平均は午後に下げ幅を広げた。
市場からは「たぶん日銀のETF(上場投資信託)買いが入っていると思うが、その効果はないようだ。基本的にもみ合い相場は続くとみるが、決算悪銘柄がどんどん出てくるようだと下も考える必要がありそうだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比172.05ポイント安の1万3971.07だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、20.08ポイント安の1549.04で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1053億円。売買高は11億8639万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1810と、全体の8割を超えた。値上がりは309、変わらずは53銘柄だった。