前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合指数など主要指数が大きく水準を切り下げ、下値模索が続いたことで、リスク許容度の低下した海外投資家などの売りで日経平均は寄り付き時点で2万3000円台を割り込んだ。米中対立への警戒感に加え、英アストラゼネカが新型コロナのワクチン開発を一時中断すると明らかにしたことなども市場心理の悪化につながった。
ただ、日銀のETF買いなどへの思惑も背景に後場は押し目買いや買い戻しなどが入り日経平均は下げ幅を縮小、2万3000円台に戻して着地した。東証1部全体の7割近い銘柄が下落。売買代金は2兆4000億円台と8月28日以来の水準に膨らんだ。
市場からは「日銀のETF買いが入ったとみられるが、日経平均2万3000円割れは押し目買いが入りやすい水準でもある。ただ、上値は相変わらず重い。米ハイテク株安への警戒感は消えておらず、結局は外部要因頼みになる」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比134.92ポイント安の1万4501.27だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、15.49ポイント安の1605.40で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆4180億円、売買高は13億6045万株と、いずれも8月28日以来の高水準だった。
東証1部の値下がり銘柄数は1497と、全体の7割近くを占めた。値上がりは588、変わらずは87銘柄だった。