前日の米株高を引き継ぐ形で東京市場は朝から幅広い業種が値を上げた。
連日の上昇により高値警戒感もあったため、3連休を前に利益確定売りが出て前場はやや上値が重かったが、アジア株の上昇などを背景に後場は再び買いが強まって、日経平均株価は一時2万4000円に迫った。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=112円台後半まで下落したほか、中国・上海総合指数などアジア株が軒並み高となったことも買いに弾みを付け、午後は一段高となった。
業種別にみると、米中貿易問題への警戒が和らぐなか、海運や素材などの景気敏感株に買いが向かった。米長期金利の上昇を受けた利ざや改善の期待を受け、保険や銀行など金融株の上昇も目立った。
後場は心理的な節目となる2万4000円まであと30円弱まで迫る場面があったが、取引終了にかけては散発的な利益確定売りに押されて伸び悩んだ。来週開催される日米閣僚級貿易協議(FFR)や日米首脳会談の推移を見極めたいとの雰囲気は上値追いを限定的にさせた。
市場では「外国人投資家とみられる買い戻しの動きが主導する展開となっているが、日経平均株価のPERは13.6倍程度で、今年前半の15.5倍に比べれば割高感はないことから、調整を入れながらも堅調な動きが期待される」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は6日続伸した。終値は前日比138.80ポイント高の1万5986.77だった。東証株価指数(TOPIX)も6日続伸し、16.42ポイント高の1804.02で終えた。
取引終了間際のインデックス売買が膨らんだとみられ、東証1部の売買代金は概算で3兆9626億円と、5月31日(4兆4333億円)以来の大商いとなった。売買高は20億7835万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は1591と、全体の75%を占めた。値下がりは456、変わらずは63だった。
業種別株価指数(33業種)は、石油・石炭製品、海運業、保険業、鉄鋼、非鉄金属などが上昇。下落は金属製品など。
個別では、ソフトバンクグループが堅調、三菱UFJフィナンシャル・グループや第一生命ホールディングスも強い動き。コマツ、昭和電工などが買われ、京セラやKDDIの上げが目立った。ファナックもしっかり。TATERU、スルガ銀行、グレイステクノロジーはストップ高となった。ブレインパッド、Ubicomホールディングスも一時値幅制限いっぱいに買われ、日本化学工業なども値を飛ばした。
半面、任天堂やソニーが軟調、エーザイや花王も売られた。アルプス電気が安く、東洋エンジニアリングは急落。スター・マイカ、日本農薬も大幅安となった。LIXILグループ、ネットワンシステムズが下落したほか、TOTOも値を下げた。
東証2部株価指数は前日比36.84ポイント高の7365.57ポイントと6日続伸した。
出来高1億1433万株。値上がり銘柄数は296、値下がり銘柄数は144となった。
個別ではSYSKEN、ソルコム、北陸電話工事、エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート、安楽亭など7銘柄が年初来高値を更新した。
アドテック プラズマ テクノロジー、日本リーテック、アウンコンサルティング、天昇電気工業、ファーマフーズが買われた。
一方、戸上電機製作所、日本アビオニクス、萬世電機、原弘産が年初来安値を更新した。
ビート・ホールディングス・リミテッド、テクノマセマティカル、篠崎屋、アサヒ衛陶、アートスパークホールディングスが売られた。