前日の米株式市場では、堅調な経済指標の発表などが好感されNYダウとS&P500種株価指数が最高値を更新した。これを受け、東京株式市場も朝方から買いが先行する展開。前日に日経平均株価は大幅に下落したことからリバウンド狙いの買いも流入し、一時300円を超す上昇となった。不動産や建設、非鉄金属など景気敏感株を中心に幅広く買いが入った。
29日は2023年4月〜24年3月(23年度)の最終営業日だった。日経平均は年度ベースで1万2327円96銭(44%)上昇。東証株価指数(TOPIX)は38%上昇した。
日経平均は大引け間際に一段高となる場面があった。29日は米国や欧州の主要市場が休場となるため、海外投機筋による仕掛け的な売買が日本株に集中したとの指摘があった。「株価指数先物のショートカバー(買い戻し)も巻き込んで日経平均を押し上げたようだ」という。
29日は米連邦準備理事会(FRB)が重視する2月の米個人所得・個人消費支出(PCE)が発表されるとあって、内容を見極めたいとの声は多かった。持ち高調整の売りが相場全体の上値を抑える場面も目立った。
さて、東京株式市場は米景気安定や米株高という安心感から引き続き日経平均が4万円台を固める動きに。年金資金の売りに対する警戒感もありながら下値を着々と拾っていく底堅い新年度相場となりそうだ。円相場は日銀や財務省のけん制があって当面は膠着しそうだが、いずれはもう一度円安に振れる局面が新年度にはあるだろう。どっちに転んでも株高の流れは4月も続きそうである。