前日の米株式市場では、NYダウ工業株30種平均が161ドル高と続伸し最高値を更新したことが投資家心理を支えた。
米9月小売売上高が堅調だったことなどが好感され、為替も1ドル=150円台へ円安が進行した。これを受け、東京株式市場も朝方は買いが先行し一時上昇幅は270円を超え3万9100円台まで上昇した。ただ、買い一巡後は戻り売りに押され、後場には前日比マイナス圏に下落する場面があった。為替も149円台の円高方向に振れた。大引けにかけやや値を戻したが、結局3万9000円台に届かず取引を終えた。主力の半導体関連株には軟調な銘柄も目立った。
アドバンテストやレーザーテクなど半導体関連の一角には前日に続き売りが出たほか、ソフトバンクグループ(SBG)やソニーGなど時価総額の大きい銘柄が下げ、上値を追う雰囲気は乏しかった。日経平均は午後に下げる場面もあった。
米経済の底堅さを示す経済指標などを受け、リスク許容度が増した投資家の資金が日本株にも流入した。もっとも、主要企業の決算発表や日米の政治イベントなどを前に積極的に上値を追う動きは限られた。
報道各社による27日投開票の衆院選の情勢調査では、政権与党である自民党の議席数が過半数に届かない可能性も伝わっている。
市場関係者は「政権の不安定さが伝わる報道が相次ぎ、投資家は積極的に運用リスクを取りにくくなっている」と話す。東京証券取引所が18日発表した海外投資家の地域別株券売買状況で、9月は欧州勢が過去最大規模の売り越しだったことが判明し、投資家心理の悪化につながった面もある。
日経平均はチャート上で、8日連続で始値より終値が低い陰線となった。8日連続の陰線は2019年12月16日〜25日(8日連続)以来の長さ。陰線は取引時間中に投資家の売り圧力が強まっていることを示唆する。
円安、米株高と引き続き外部環境は絶好調ながら、日経平均は今ひとつ伸び切れない上値の重さが感じられる1日に。米市場のけん引役である半導体大手エヌビディアが昨日に最高値を更新しても、国内の半導体株の動きは今ひとつであった。
日経平均の日足は本日まで8日連続で陰線を記録。国内に買い材料がないため取引時間中(ザラバ)に買いが入って来ないのも一因であろう。