きょうは方向感の定まらない展開となった。朝方は上昇したもののその後に軟化し、前引け時点では170円あまり安かったが、後場に切り返す動きをみせた。しかし、上値も重く取引終盤に値を消した。前日の米国株市場ではNYダウは軟調だったが、ハイテク株が強さを発揮しナスダック総合株価指数は3日続伸し連日の最高値更新と気を吐いた。ただ、東京市場では今週に入り2営業日合計で日経平均が1000円強の上昇を示しており、目先利益確定の動きが上値を押さえた。
一部のメディアは、日銀が12月の金融政策決定会合で政策を据え置く可能性について一部通信社が報じたことが材料視されたとみられ、市場が当初想定していたほどのスピードで日銀が利上げに踏み切らず、円高圧力が弱まるとして、輸出関連株の多い日本株に恩恵が及ぶとみた買いが優勢となったようだ。
米国時間4日にADP全米雇用リポートの公表や米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言機会を控えていることから、投資家の様子見姿勢も強かった。
日経平均は下げに転じる場面もあった。午前には外国為替市場で円相場が一時1ドル=149円台半ばまで上昇し、ホンダなど自動車株が下落した。
3日夜には韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣言した。すでに非常戒厳は解除され、大きな混乱は避けられているもようだ。朝方には韓国総合株価指数(KOSPI)が前日比で2%ほど下落したものの、その後に下げ幅を縮小したことは日本株の買い安心感につながったようだ。
さて、東京株式市場は一時円高に振れたことで下押す場面があったが、円高一巡と株式の配当再投資の思惑も働き後半相場は回復へ。米国株はハイテク中心に強く推移しており日本株も下げれば買いが入るなど需給は安定してきている。日経平均はボックス上限である4万円を意識した相場となっており、小口の戻り売りをこなしながらじわじわと水準を切り上げて行く展開となりそうだ。