15日の米株式市場でダウ平均は361.24ドル安と反落、ナスダック総合指数も−1.14%と反落。中国の経済指標が軒並み予想を下回り、世界経済の減速懸念が強まった。一方、米7月小売売上高が予想を上回り、米長期金利は昨年10月以来の水準にまで上昇、ハイテクにも売りが広がった。格付け会社フィッチが一部銀行の格下げの可能性を警告したことも嫌気された
東京株式市場でも運用リスクを避ける動きが優勢で、幅広い銘柄に売りが出た。16日の取引で香港ハンセン指数などアジアの株価指数が総じて軟調だったことも投資家心理を冷やした。
格付け会社フィッチ・レーティングスは15日、米CNBCの番組で米銀大手を含む70行以上を格下げする可能性があると明らかにし、同日の米市場で銀行株が売られた。16日の東京市場でも三菱UFJなどの銀行株に売りが波及し、相場の重荷だった。
中国国家統計局が16日発表した7月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月比で価格が下落した都市が全体の7割にあたる49都市に増加した。このところ中国の経済指標が弱含んでおり、中国景気の先行きを警戒する動きが改めて強まった。アジア株式相場が軟調だったこともあって、中国関連株の一角には売りが優勢だった。
チャート上で下値支持線として意識されていた75日移動平均(3万1830円、15日時点)近辺では押し目買いの動きがみられ、下げ渋る場面もあった。ただ、75日移動平均を割り込むと、先物主導で下落に拍車がかかり、大引けにかけて下げ幅を広げた。
7月12日の安値(3万1791円)を下回り、終値(3万1766円)では75日線(3万1875円、16日時点)を下回った。決算発表が出そろって材料難となったタイミングでテクニカルの節目を割り込んでおり、流れは悪い。8月に入ってから米国株の動きが悪く、外部環境もアゲインストとなっている。
本日公表される7月のFOMC議事録が注目されるが、これが米国株の売り材料となった場合には、月末のジャクソンホール会合(8/24〜26)辺りまで反転の手がかりが乏しくなる。日本株はチャート形状が悪くなっただけに、米国株の切り返し、もしくは米長期金利が低下する展開に期待したいところだろう。
マザーズ指数も日経平均同様に安値引けとなっており、1月につけた年初来安値(712.42p、1/4、8/16終値は726.50p)に接近してきた。ここで安値を更新してしまうと、大型グロース株にもネガティブな影響が出てくる懸念がある。下げ止まって負の連鎖を断ち切ることができるかに注目したい。