きょうの東京株式市場は、朝方取引開始前はリスク回避ムードが強かった。前日の欧州株市場が総じて軟調だったことに加え、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合指数ともに3日続落と下値模索の動きが続いており、これが買い手控え要因となった。ビットコインをはじめ仮想通貨が軒並み急落しており、これが投資家心理を悪化させている。
ただ、2万8000円を下回る水準では押し目買いや売り方の買い戻しなどが入り、日経平均をプラスに押し上げた。
一方で上値を買い進む動きも限られ、相場の強弱感が対立する中で小口の売買が交錯した。市場では「米国のインフレ懸念を巡る米金融政策当局の対応や日本国内のワクチン接種の進展といった不透明な要因を払拭できなければ、一段高の局面にはなりにくい」との指摘が出ていた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比10.40ポイント安の1万7102.13だった。東証株価指数(TOPIX)は反発し、0.68ポイント高の1895.92で終えた。
市場では「企業業績の改善期待が下値を支える格好にあるが、買い手がかりに乏しいことから、キッカケ待ちの状況が続きそう」との声が聞かれた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1734億円。売買高は9億9465万株と、薄商いだった。東証1部の値上がり銘柄数は1385と、全体の6割強を占めた。値下がりは703、変わらずは104銘柄だった。