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【大引け概況】


19日の日経平均株価は大幅に続伸し、終値は前日比775円16銭高の3万7155円33銭だった。終値で3万7000円台に乗せたのは4日(3万7047円61銭)以来、約2週間ぶりとなる。

 
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きょうは主力株をはじめ広範囲に物色される展開となった。為替市場で円安方向に振れたことがリスクオンの材料となり、先物を絡めたインデックス買いが全体を押し上げた。
前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)では4年半ぶりの利下げを決めたが、利下げ幅が0.5%だったことで、いったんは円高に振れる局面もあった。しかし、その後は急速に円安方向に押し戻される荒い展開となった。
 
FOMC後に米長期金利が上昇し、国内10年債利回りも上昇している。日経平均は一時1000円あまりの急騰をみせたが、引けにかけては手仕舞い売りが出て上げ幅を縮小した。
 
ただ、事前にある程度の織り込みが進んでいたほか、利下げが今後緩やかなペースになるとの見方から、外国為替市場ではドル買い・円売りが優勢になり、円相場は1ドル=143円台まで下落した。円安進行を受けてトヨタやホンダ、マツダといった輸出関連株が買われた。先物主導の展開を映し、ソフトバンクグループ(SBG)など指数寄与度が高い銘柄も軒並み高となった。
 
今回の大幅な米利下げは、将来の景気後退の可能性を小さくする「予防的な措置」と位置づけられており、FRBのパウエル議長は記者会見で米景気は「良い状態」と楽観的な認識を示した。市場では「米国のソフトランディング(軟着陸)期待を意識させる内容で、日本株への追い風となった」との見方があった。
 
あすの正午ごろには日銀の金融政策決定会合の結果が判明する予定だ。今回の日銀会合では、政策金利の据え置きが予想されているが、その後の植田和男総裁の記者会見での発言には注目が集まっている。
前回の日銀会合での植田氏の発言がタカ派となったことをきっかけに、株式市場は大きく下落したという記憶が鮮明に残っているだけに、今回も植田総裁の発言を見極めたいと考える向きが多い。ただ、本日の動きをみても先回り的に動きていると考えられ、日銀会合通過後は上を仕掛けてくる動きが意識されそうだ。
 
 

東証株価指数(TOPIX)は大幅に続伸した。終値は51.50ポイント(2.01%)高の2616.87だった。JPXプライム150指数も大幅に続伸し、27.12ポイント(2.37%)高の1172.94で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆594億円、売買高は17億2591万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1340。値下がりは257、横ばいは46だった。
 
業種別株価指数は33業種すべて上昇。海運業、保険業、輸送用機器、非鉄金属、サービス業、卸売業が上昇率上位。
 
個別銘柄では、売買代金で群を抜くレーザーテック、同2位のディスコ、同3位の東京エレクトロンなど半導体製造装置関連が上昇、昨日売られたIHIが反発し年初来高値を更新したほか、トヨタ自動車、ホンダ、日野自、三菱自など自動車株が総じて上昇した。また、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクが値を上げ、東京海上HD、MS&ADなど保険株も買われた。このほか、メルカリ、フジクラ、住友ファーマ、日立、伊藤忠、レゾナックHDなど幅広銘柄が買われた。
ソフトバンクグループも物色人気を集めた。リクルートホールディングスが大きく水準を切り上げている。日本郵船、商船三井など海運株も買われた。トランコムがストップ高を演じたほか、八洲電機なども値を飛ばしている。
 
半面、証券会社の投資判断引き下げを受けて三菱電機が下値を探り、ニチレイ、ニトリホールディングス、明治ホールディングス、日本ハムなど円高メリット銘柄の一角が下落した。富士フイルムホールディングスも冴えない。Gunosyが急落したほか、エービーシー・マート、MonotaRO、ケーズホールディングスなども売りに押された。このほか、協和キリン、SUMCOなどが売られた。