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【大引け概況】

21日の日経平均株価は小幅に反落し、終値は前週末比27円15銭安の3万8954円60銭だった。
 
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朝方に売り買い交錯で始まった後、海外投資家とみられる大口売りに下値を試す展開となった。しかし、その後はじりじりと水準を切り上げ、前引け近くに日経平均は3万9100円台まで買われこの日の高値をつけた。前週末の米国株市場でハイテク株中心に堅調な値動きで、これに追随しアドバンテストや東京エレクトロン半導体関連株などを買い戻す動きが誘発された。
 
しかし、上値の重さが意識され、その後は3万9000円台を挟みもみ合う展開に。それでも後場はおおむねプラス圏で推移したが、取引終了間際に先物を絡めた売りが出て、日経平均を押し下げている。27日に投開票が行われる衆議院総選挙を控え、3万9000円台ではポジション調整の売り圧力が強い。売買代金は3兆4000億円台にとどまり9月3日以来約1カ月半ぶりの低水準だった。
 
日本株独自の買い材料が乏しく、国内政治の先行き不透明感が漂うなかで売りが優勢だった。一方、前週末の米株式市場でハイテク株が上昇した流れでといった半導体関連の一角が買われ、相場を下支えした。
 
日経平均は前週初めに一時4万円台に乗せて以降、上値の重さが目立つ展開が続いており、きょうも海外勢の利益確定売りに押される銘柄が多かった。後場は小幅高で推移していたが、大引け間際のまとまった売りに押され、日経平均は下落して終えた。日足チャートでみると、日経平均は始値よりも終値の方が低い「陰線」を9日連続で描いた。
 
三菱重甲をはじめ政策関連とされる重工株が大幅安となった。27日に衆院選の投開票を控えて国内政治の先行き不透明感が漂い、売りに押された。このところ堅調だった銀行や保険も下落した。
 
米市場でナスダック総合株価指数が最高値更新を視野に入れているなか、東京株式市場のアドバンテストや東京エレクトン、ディスコなど半導体関連には買いが入った。
 
今週から主要企業の決算発表が本格化し、想定通り通期業績予想の上積みが期待できるのか確認したいほか、週末の衆院選で、自民党が大幅に議席数を減らせば、石破首相の求心力低下や政権安定への懸念につながり兼ねず、政治の混乱を嫌い海外投資家の売りを誘いかねない。
そのため、選挙の情勢報道や選挙結果を見極めたいと考える向きも多く、全般は模様眺めムードの強い展開が予想される。



 

 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。終値は前週末比9.07ポイント(0.34%)安の2679.91だった。JPXプライム150指数も反落し、2.52ポイント(0.21%)安の1202.05で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆4127億円、売買高は15億134万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は888、値上がりは698、横ばいは59だった。
 
業種別株価指数(33業種)は電気・ガス業、水産・農林業、銀行業などの下落率が大きかった。上昇は、海運業、ゴム製品、精密機器など。
 
個別では、売買代金で断トツとなったディスコが上昇したほか、アドバンテストの上げ足の強さが目立っている。レーザーテックや東京エレクトロンなどの半導体製造装置大手は総じて堅調だった。ソフトバンクグループ(SBG)がしっかり、日本郵船、川崎汽船など海運株が上値を追った。霞ヶ関キャピタル、楽天グループ、リクルートHD、任天堂などが上昇となった。キーエンスも買いが優勢だった。インターメスティックが値上がり率トップ、ジェイテックコーポレーション、サンウェルズ、PKSHA Technologyなども値を飛ばした。
 
一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友やみずほなどメガバンクが冴えず、売買代金2位となった三菱重工業、IHI、川崎重工業など防衛関連株が利食われた。トヨタ自やホンダなどの自動車関連株が軟調に推移。また、ファーストリテ、フジクラ、JTなどが下落した。上半期営業減益見通しをマイナス視された東洋証券や通期業績上方修正も出尽くし感が先行したサーティワンが急落。ほか、ベイカレントも大幅安。北陸電力、北海道電力、九州電力など電力株への売りが目立つ。ジンズホールディングスも安い。