前日の米株式市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)を経てテーパリング(量的緩和縮小)に対する警戒感が後退したことが引き続き好感され、NYダウとナスダック指数は上昇した。ただ、東京株式市場は値を下げてスタートし、後場にかけ下げ幅を拡大し一時500円を超す下落となった。月末の下落は11ヵ月連続と月末安のアノマリー(経験則)は継続した。
国内で新型コロナウイルスの感染に歯止めがかからず、大阪府などに緊急事態宣言が追加発令される見通しとなった。経済活動の正常化が後退する懸念が広がった。
29日に国内で確認されたコロナの新規感染者数は初めて1万人を超えた。感染力が強いとされるインド型(デルタ型)も急拡大しており、警戒感が強まっている。政府は30日夕にも、8月2日から31日の期間で大阪府や首都圏3県を宣言対象地域に追加することを決める見通し。東京都と沖縄県の宣言期間も31日まで延長される見込みとなった。
29日に発表した米アマゾン・ドット・コムの決算で増収率が鈍化したことなどをきっかけに日本の取引時間中の米株価指数先物が下落。中国当局のネット企業への統制強化を嫌気して混乱が続いた香港株式市場でハンセン指数が大幅安となったのも回避姿勢を強めた。
米経済指標の公表などを控えた週末の月末で持ち高調整の売りも出て相場を下押しした。
市場からは「月末安傾向の影響もあろうが、米国株が腰砕けになれば、連鎖安は避けられないだけに下値リスクがチラつく。好決算が出てもそれほど株価は伸びず、または安くなるなど反応の鈍さもうかがえる」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、26.35ポイント安の1901.08で終えた。JPX日経インデックス400も反落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆8469億円。売買高は12億3671万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1875だった。値上がりは275、変わらずは40銘柄だった。