米国とイランとの軍事衝突に対する警戒感から前日は日経平均が急落したものの、きょうはその下げ幅を上回る戻りをみせた。イランによるイラクの米軍駐留基地への攻撃に対し、8日に行われたトランプ米大統領の演説は軍事的な報復を示唆しない内容だったことから、投資家心理が改善。昨年末の終値(2万3656円62銭)を上回り、米イラン緊迫化を背景にした年初からの下落分を帳消しにした。
トランプ米大統領が8日(米国時間)の演説で、イランによるイラクの米軍駐留拠点の攻撃に関して「我々の軍事力を行使したくはない」と述べた。報復に慎重な姿勢を示したことで、米イラン問題が一段と深刻化するとの懸念が薄れ、買いが膨らんだ。
午後も全面高の相場展開が続き、上げ幅は一時550円を超えた。為替が1ドル=109円前半と円安方向に振れ、半導体など輸出関連株の下支えとなった。中国・上海などアジア株が全面高となったことも支援材料となった。
中東の軍事的緊張が和らいだため「今週末発表の米国の12月雇用統計などの経済指標や企業業績が材料となる普段の相場に戻った」。
市場関係者は「改めて日本株の先高感が意識され、外国人投資家の買いが入る流れは強まっている」という。日経平均は心理的節目の2万4000円を目指す展開となりそうだ。
JPX日経インデックス400は大幅反発。終値は前日比248.54ポイント高の1万5455.90だった。東証株価指数(TOPIX)も大幅反発し、27.65ポイント高の1729.05で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1476億円。年初以降、4日連続で2兆円の節目を上回った。売買高は11億4656万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1960と、全体の9割を超えた。値下がりは157、変わらずは43銘柄だった。