きょうは、朝方から売りに押される展開だったが、日経平均は前場終盤を境に先物を絡め急速に水準を切り下げた。後場は更に下値を探る動きを強いられ、一時650円あまりの急落となり大引けも600円を超える下げで12月6日以来の2万8000円台割れとなった。
前週末の米国株市場でNYダウが急落したことでリスク回避のムードが強くなり、中国人民銀行(中央銀行)が政策金利を引き下げたことが伝わると、これも悪材料視する形で売りがかさんだ。
中国人民銀行は2021年12月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)の1年物について3.80%と、0.05%の引き下げを発表すると、日経平均は急速に下げ幅を拡大した。利下げは景気を下支えする効果があるものの、その必要があるほど中国景気は弱くなっているとの見方がかえって売りを促す結果となった。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大が世界的に加速していることも買い手控え感を助長した。オランダは19日からロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。日本国内でも人の移動が増える年末年始を控え、感染再拡大を懸念する雰囲気が強かった。
株式市場への資金流入が細るとの見方が強まり、前週末のNYダウ工業株30種平均が大幅に下落。東京株式市場も景気敏感株などの売りを促した。
市場からは「米欧の金融政策が方向転換し、過剰流動性が転機を迎え、いったん現金化してもおかしくはない。目下、織り込みつつある状況だが、日経平均は三角もち合いを形成中で下ブレ懸念がくすぶる」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は大幅続落し、前週末比43.14ポイント安の1941.33で終えた。JPX日経インデックス400も大幅続落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆4541億円。売買高は11億4233万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は2051と、全体の9割を超えた。値上がりは115銘柄、変わらずは18銘柄だった。