前日の欧米株高を受け強調展開が見込めると思いきや、フタを開けてみると売り圧力の強さばかりが目立つ展開となった。
国内で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、東京都に4度目となる緊急事態宣言が発令される見通しとなったことで、買い気が削がれている。
ETFの分配金捻出に絡み、きょうとあすの2日間で約8000億円規模の売りニーズが発現するとの思惑も全体相場にネガティブ要因となっている。
米株市場では主要株指数が揃って上昇したものの半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は軟調で、これを受けて東京株式市場でも半導体関連が売られ、相場の地合いを悪くした。前日の原油市況下落を受け資源関連株も安い。
日経平均は午後に入って下げ幅を200円超に広げた。中国当局によるネット企業などへの規制強化を受けて上海や香港の株式相場が下落し、日本でも株価指数先物への売り圧力が強まった。
東エレクやアドテストなどが売られた。空運株や陸運株の一角も下落した。一方、家で過ごす時間が増加するという見方から内需株の一角には買いが入った。
市場では「東京都に緊急事態宣言が発出されることで、景気回復遅れを懸念して、軟調な展開を強いられそうで、日経平均株価は5月13日の2万7385円に接近する場面も想定される」との慎重な声も聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前日比149.67ポイント安の1万7295.52だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、17.36ポイント安の1920.32で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6089億円。売買高は11億4405万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1849と、全体の約8割を占めた。値上がりは276、変わらずは67銘柄だった。